寒い朝、出かけようとしたら車のドアが凍りついて開かない。ドアノブを引いてもびくともしない…。急いでいるときほど、思いきり引っぱったり、お湯をかけたりしたくなりますよね。
でも、無理をするとドアのゴムやドアノブを壊してしまうことがあります。この記事では、JAFのテスト結果をもとに、凍ったドアを安全に開ける手順と、お湯をかけてはいけない理由、前の晩にできる凍結予防をまとめました。
1. 結論:無理に引かず、解氷剤でゴムの氷を溶かしてから開ける
- 凍ったドアを強い力で引き続けない。ゴムやドアノブが壊れるおそれ(JAF)
- まずほかのドアを試し、開かなければ解氷剤をドアのまわりのゴムや鍵穴にかけて溶かす
- お湯はNG。溶けた水がすぐまた凍ったり、ガラスが割れたりするおそれがある
- 前の晩にドアのゴムの水気を拭き、凍結防止剤(シリコンスプレーなど)を塗ると凍りにくい
2. 車のドアが凍る原因:ゴムについた水分
ドアが開かなくなるのは、ドアと車体のすき間にあるゴム(ドアモール・ウェザーストリップ)についた水分が凍って、ドアと車体がくっついてしまうからです。雨や雪の日のあと、洗車のあとに冷え込んだ夜は特に凍りやすくなります。
JAFが長野県の菅平高原(最低気温−6.3℃)で行ったテストでは、次のような結果になりました。
| ドアの状態(一晩駐車) | 結果 | 開けるのに必要だった力 |
|---|---|---|
| 水で濡らさなかった | 凍らなかった | 約5kg |
| 水で濡らした | 凍りついた | 20kg以上(強く引き続けてようやく開いた) |
濡れているかどうかだけで、必要な力が4倍以上も変わりました。逆にいえば、水気をなくしておけば凍結はかなり防げるということです。
3. 凍ったドアを安全に開ける4ステップ

① ほかのドアも試してみる
凍り方はドアによって違います。日が当たっていた側や、助手席・後ろのドアなら開くこともあります。どこか1か所開けば、中からエンジンをかけて車全体を温められます。
② 解氷剤をドアのまわりのゴムと鍵穴にかける
JAFも、凍っている場合は無理にこじ開けず、鍵穴やゴムシール部分に解氷剤を塗って溶かしてから開けるようすすめています。ドアのすき間に沿って、ぐるりとスプレーしましょう。解氷剤はフロントガラスの凍結にも使えるので、冬は1本手元に置いておくと便利です。
③ 少し待ってから、ゆっくり引く
解氷剤をかけたら、少し待ってからゆっくり引いてみます。開かなければ、もう一度解氷剤をかけて待ちましょう。ドアノブだけを強く引き続けると、ノブやゴムを壊すことがあります。
④ 中に入れたら暖房で温める
どこかのドアが開いたら、エンジンをかけて暖房をつけ、車全体を温めます。ほかのドアの氷も少しずつ溶けてきます。窓が凍っているときは、パワーウインドウを無理に動かさないようにしましょう。ガラスが氷で固まったまま動かすと、部品を傷めるおそれがあります。
暖まるまでの待ち時間の使い方は冬の暖機運転は必要?、フロントガラスの霜の取り方はフロントガラスの凍結を早く溶かす方法で解説しています。
4. お湯をかけてはいけない理由
| やりがちなこと | なぜダメ? | かわりにやること |
|---|---|---|
| お湯・熱湯をかける | 溶けた水がすぐ凍り直す。急な温度差でガラスが割れるおそれ | 解氷剤を使う |
| ドアノブを力いっぱい引く | ノブやゴムが壊れるおそれ | 解氷剤をかけて待つ |
| すき間に金属のヘラを差し込む | 塗装やゴムを傷つける | 解氷剤で溶かす |
| 凍った窓をパワーウインドウで動かす | 部品を傷めるおそれ | 暖房で溶けるのを待つ |
お湯をかけると一瞬は溶けますが、外が氷点下だと、その水がまたすぐに凍ってしまいます。かえって前よりしっかり凍りつくこともあるので注意しましょう。
5. 前の晩にできる凍結予防
- 雨や雪のあと、洗車のあとは、ドアのまわりのゴムの水気を乾いた布で拭く
- ゴムに凍結防止剤を塗っておく。シリコンスプレーを布に吹きつけてからゴムに薄く塗ると、水をはじいて凍りにくくなる
- フロントガラスには凍結防止カバーをかける(JAFのテストで最も効果的だった)
- 寒冷地ではワイパーを立てて駐車する
シリコンスプレーは、ゴムや樹脂に使えることを確認してから使いましょう。窓ガラスや足をのせるステップにかかると、すべったり、ギラついたりするので、直接吹きかけず布に取って塗るのがコツです。
6. よくある質問
Q. 鍵穴が凍って鍵が回らないときは?
鍵穴に解氷剤を少しかけてから、ゆっくり回してみましょう。無理に回すと鍵が折れることがあります。スマートキーの車でも、電池切れのときはメカニカルキーを鍵穴に差して開けるので、冬は鍵穴の凍結にも気をつけましょう。
Q. どうしても開かないときは?
日が当たって気温が上がるのを待つか、JAFや自動車保険のロードサービスに相談しましょう。大雪のときに備えて車に積んでおきたいものは大雪の立ち往生に備えて車に積んでおくものにまとめています。
まとめ:引っぱらず、溶かしてから開ける
- ドアが凍るのは、ゴムについた水分が原因
- 開かないときはほかのドア→解氷剤→少し待ってゆっくり引く
- お湯・力まかせ・金属のヘラはNG
- 前の晩に水気を拭いて凍結防止剤を塗っておけば、朝の手間が減る
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