寒くなってきた朝、メーターに見なれない「!」マークの警告灯がついてドキッとしたり、「なんだかタイヤがつぶれて見える…」と感じたりしたことはありませんか。秋にきちんと空気を入れたはずなのに、冬になると空気圧は思った以上に下がっていることがあります。
タイヤの空気は、何もしなくても少しずつ抜けていきます。そこに気温の低下が重なるのが冬です。この記事では、自動車メーカーの取扱説明書や日本自動車タイヤ協会(JATMA)の呼びかけをもとに、冬に空気圧が下がる理由と下がる量の目安、点検の頻度、指定空気圧の見方、ガソリンスタンドでの入れ方を表と図でまとめました。
1. 結論:冬は「月1回以上」「冷えているときに」測って指定空気圧に合わせる
- タイヤの空気は自然に抜ける。JATMAは1か月で約5%減るとして、月に1回の点検を呼びかけている
- 気温が下がると、タイヤの中の空気も縮んで空気圧が下がる。気温が10℃下がると約10kPa(10〜12kPaほど)下がるのが計算上の目安
- トヨタの取扱説明書では、空気圧の点検は月に1回以上、タイヤが冷えているときに、空気圧ゲージで行うよう案内している
- 合わせる値は、運転席のドア付近のラベル(または取扱説明書)にある車の「指定空気圧」
- 走ったあとはタイヤが温まって空気圧が高く出る。そのとき空気を抜いて合わせない
- 空気圧が足りないと、燃費の悪化・タイヤの傷み・操縦安定性の低下につながる。冬道ではなおさら気をつけたい
2. なぜ冬は空気圧が下がるの?
理由は大きく2つあります。
① 気温が下がると、中の空気が縮む
空気は冷えると縮みます。タイヤの中の空気も同じで、気温が下がると圧力が下がります。秋の暖かい日に合わせた空気圧のまま真冬の朝をむかえると、それだけで指定値より低くなっていることがあります。
② 何もしなくても、少しずつ抜けていく
タイヤのゴムは、ごくわずかに空気を通します。JATMAは、タイヤの空気圧は1か月で約5%減るとして、月に1回は点検するよう呼びかけています。2か月ほったらかしにすると、10%前後下がっている計算です。
冬は、この「冷えて縮む」と「自然に抜ける」が重なるので、ほかの季節より空気圧が下がりやすくなります。
3. 気温が下がると、空気圧はどれくらい下がる?
20℃のときに240kPaに合わせたタイヤが、気温が下がるとどうなるかを計算しました。
| タイヤの温度 | 空気圧(計算上) | 20℃のときとの差 |
|---|---|---|
| 20℃ | 240kPa | ― |
| 10℃ | 約228kPa | 約−12kPa |
| 0℃ | 約217kPa | 約−23kPa |
| −10℃ | 約205kPa | 約−35kPa |
たとえば20℃の日に合わせたまま、0℃の朝をむかえると約20kPa低くなる計算です。ここに1か月分の自然な抜け(約5%=約12kPa)が加わると、指定値より30kPa以上低いこともありえます。
空気圧の単位は今は「kPa(キロパスカル)」が一般的です。古い車やゲージでは「kgf/cm²」で書かれていることがあり、1kgf/cm²は約98kPaです。
4. 点検の頻度とタイミング

| いつ | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| ふだん | 月に1回以上 | 給油のついでに習慣にする |
| 冬のはじめ | 寒くなったらすぐ | 秋に合わせた値から下がっていないか |
| タイヤを替えたとき | 交換したその日〜数日後 | スタッドレスに替えたあとも確認 |
| 遠出・高速道路の前 | 出発前 | 荷物や人数が多いときも |
トヨタの取扱説明書では、空気圧の点検は月に1回以上、扁平率の低いタイヤ(横から見て厚みがうすいタイヤ)は2週間に1回、または長距離ドライブの前に行うよう案内しています。扁平率の低いタイヤは、空気が減っても見た目ではわかりにくいので注意しましょう。
測るのは「冷えているとき」
指定空気圧は、タイヤが冷えているときの値です。走ったあとのタイヤは温まって空気圧が高く出るため、正しく測れません。ホンダの取扱説明書でも、タイヤが熱いときに測ると冷えているときより高く出て、正しく測定できないとしています。
- いちばんよいのは走り出す前。家にエアゲージがあれば、朝の出発前に測れる
- ガソリンスタンドで測るなら、近くのスタンドで、走ってすぐに測る
- 走ったあとに高く出ても、それは異常ではない。トヨタの取扱説明書では、走行後に空気を抜かないよう案内している
5. 指定空気圧の見方(ドア付近のラベル)
合わせる値は、タイヤの横に書いてある数字ではなく、車ごとに決められた「指定空気圧」です。ホンダの取扱説明書では、指定空気圧は運転席横の車体に貼ってあるラベルにも書いてあると案内しています。運転席のドアを開けて、ドアの付け根あたりの柱(ピラー)を見てみてください。
| ラベルの書き方の例 | 意味 |
|---|---|
| 前輪(FRONT) | 前のタイヤ2本の指定空気圧 |
| 後輪(REAR) | 後ろのタイヤ2本の指定空気圧 |
| タイヤサイズ | その空気圧が合うタイヤのサイズ |
| 応急用タイヤ | スペアタイヤの空気圧(ある車のみ) |
- 前と後ろで値がちがう車も多いので、4本とも同じにしない
- タイヤの横(サイドウォール)に書いてある数字は、そのタイヤの最大の空気圧などで、合わせる値ではない
- スタッドレスタイヤに替えても、基本はラベルの指定空気圧に合わせる。ただしラベルとちがうサイズのタイヤをはいているときは、タイヤ店に適した空気圧を聞くと安心
6. 空気の入れ方(ガソリンスタンド・自分で)
ガソリンスタンドで入れる
多くのガソリンスタンドには空気入れがあります。セルフのお店でも使えることが多いですが、使い方がわからないときや、自信がないときはお店の人に頼むのがいちばん確実です。
- エアバルブのキャップを外し、空気入れの口金をまっすぐ押し当てる
- 表示を見ながら、ラベルの指定空気圧に合わせる
- 終わったらバルブキャップを必ず閉める。トヨタの取扱説明書では、キャップがないとほこりや水分が入って空気がもれるおそれがあるとしている
- 4本とも同じように確認する
自分で測る・入れる
エアゲージを1本持っておくと、朝の出発前(タイヤが冷えているとき)に測れます。空気を入れる道具は、シガーソケットにつなぐタイプや充電式のエアーコンプレッサーがあります。目標の空気圧を設定すると止まるタイプなら、入れすぎを防ぎやすいです。
入れすぎもよくありません。指定空気圧より高すぎると、乗り心地が悪くなったり、タイヤの真ん中だけがすり減ったりする原因になります。冬だからといって大きく上げず、指定空気圧に合わせましょう。
7. 空気圧が足りないとどうなる?
| 起こりやすいこと | 内容 |
|---|---|
| 燃費が悪くなる | タイヤがたわんで転がりにくくなる |
| タイヤが傷む | 片べり(偏摩耗)やすり減りが早くなる |
| 運転しにくくなる | 操縦安定性や乗り心地が悪くなる |
| 故障やケガにつながる | 発熱による破裂や、段差でのタイヤの損傷 |
空気圧がすぐに下がる、1本だけ極端に低いというときは、パンクやバルブの不具合かもしれません。トヨタの取扱説明書でも、空気圧がひんぱんに下がるときは販売店で点検を受けるよう案内しています。ガソリンスタンドやタイヤ店に見てもらいましょう。
「!」の警告灯がついたら
最近の車には、タイヤの空気圧が下がると知らせる警告灯(タイヤ空気圧警報)がついているものがあります。寒い朝に点灯したときは、まず空気圧を測って指定値に合わせます。警告灯の意味や、合わせたあとに必要な操作(初期化など)は車によってちがうので、取扱説明書を確認してください。
8. あると便利な道具
エアゲージ(エーモン 8822)
タイヤの空気圧を測る道具です。出発前のタイヤが冷えているときに測れるので、正しい値がわかります。ガソリンスタンドの空気入れの表示と見くらべる使い方もできます。
シガーソケットで使う空気入れ(メルテック ML-270)
車のシガーソケット(DC12V)につないで使うエアーコンプレッサーです。デジタル表示で、設定した空気圧で止まるオートストップ機能がついています(販売店の商品説明より)。
充電式の空気入れ(メルテック ML-290)
コードがない充電式のエアーコンプレッサーです。ノズルが5種類ついていて、自転車やボールにも使えます。使う前に充電が残っているか確認しておきましょう。
道具を使うときは、それぞれの取扱説明書の使い方・連続して使える時間を守ってください。空気を入れたあとは、エアゲージで指定空気圧になっているか確かめると安心です。小型の電動空気入れの使い道は【夏のレジャー革命】ゴムボートも車もこれ1台!超小型電動空気入れが手放せない理由でも紹介しています。
まとめ:冬の空気圧は「冷えているときに、月1回以上」
- 冬は気温の低下と自然な空気の抜けが重なり、空気圧が下がりやすい
- 気温が10℃下がると約10kPa下がるのが計算上の目安
- 点検は月に1回以上。寒くなったとき・タイヤを替えたとき・遠出の前にも
- 測るのはタイヤが冷えているとき。走ったあとに高く出ても空気を抜かない
- 合わせるのは運転席のドア付近のラベルの指定空気圧。前と後ろの値を確認
- 空気を入れたらバルブキャップを閉める。すぐ下がるならパンクを疑ってお店へ
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